没、蕩ける夢想
ほんとうに、馬鹿しでかしたやつ;
僕の姉さんは奇抜な人だと思う。身内、それも血をわけた実の弟からまでそう思われているんだから相当なものだと思う。これもまた身内がいうのもなんだけど見た目は悪くないし、頭も良いほうで運動も出来る。辛口評価にしても並の上だ。ただ、思考回路に難有りってところは頂けない。それは確実に人の斜め上を逝っちゃってるんだ。そして、もうひとつ。空気が読めない。いや読もうとしない。困っちゃうよね。周りの反応を愉しんでいる節もあるし、これが天然なのか計算なのかはわからないけれど。後者であるならば尚のこと性質が悪い。けど、あえて空気を読んでいないといった件があるからないとは限らないんだよね。恐ろしい。振り回される方のことも考えてあげてよ。と僕は心の片隅では思っているんだ。
「ねえ、付き合って欲しいことがあるんだけど」
「いきなりどうしたの、姉さん？」
そういうといきなり人の手を掴む、力いっぱいに。ちょっと痛いんだけど。
「さあ、いくぞ」
「え!? 僕まだ何も――」
有無も言わさないのは相変わらずなんだけど、ってこの先はどうなるんですかぁぁ！
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